切ないようなかすれ声とともに空気を探した記憶があった。鈍い音と共に刃が引き抜かれ感覚。ひゅぅひゅぅと音を立てて抜けていく空気を抑えようと傷口を抑えれば一緒に流れ出す赤い熱がぬるりとした。なにかを言わなければ、と口を開けばごほりと鉄の味が広がる。そこまできて、ああ、今回もまだ生きているのだなと妙な納得をした。
――きゅうなゆうかいにちゅういするように。
「……は?」
どうにも妙な話を聞いた気がして沙織は呆気に取られた。氷鉋の襲撃を受けてから、早くも四日が立っている。氷鉋は例によって保健室で療養中だが、生徒会の仕事は日々続いていることも目の前の事実としてあった。そんな中、困ったような顔の生徒会長に手招きをされ、伝えられた理事長からの伝言が『誘拐注意』であった。
「えーーーと?」
「私にも厳密な話は見えて居ないのよ…」
困った顔で生徒会長が肩をすくめる。
「理事長先生からはそう伝言されたの」
相変わらず謎の理事長からの指示らしいが。
「どーにもならないよぅ~~」
盤上を眺めていた新がぱたり、と机に突っ伏す。
「ほれ。投了しないなら王手」
自前のパソコンからちらりと横見て燕が黒い女王を動かす。
「うぁぁ~~ん」
すごすごと駒を引き上げる新の様子に生徒会室に戻った凛が苦笑した。凛の知る限り、飯綱兄妹の対燕戦の戦歴は芳しくない。一方の燕はチェス駒を片付けを気にする風もなく再びキーボードを叩き始める。
自分の命を狙った相手を心配するというのもなんだか変な感覚である。コレが犯罪に巻き込まれたものだったり、殺されるにたる極悪非道な人物であった、などという二時間サスペンスの被害者のようなシュチエーションでもであれば、まだ割り切れるのだろうが、どうにも氷鉋はそういう類の事情で沙織を狙ったとは考え難い。
まずは事情をよく聞いて、それでまた命を狙われるというのなら、それこそ腹を据え、気を引き締めて通学しなければならなくなる。妙なところで切り替えの早いのが沙織の長所であり短所でもあるのだが、それでも学校を辞めようという思考が無いあたり、妙なところで肝が据わっているというか、完全に抜けている。
花粉の時期も終わって(?)随分あったかくなってきましたな!
今回の更新ですが、2匹とも水揚げされている為延期です(TwT);
次回更新は20日予定です…が、どうだろうか。
その頃には多少マシになっていることを今から願ってみたりみなかったり。
生息はしているので、ぼちぼち更新はしていくですよー
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何かしらその方面で活動していることもチラホラ。
基本管理は絵描きの2号がやってます。
絵描き傍ら常にPSPが転がっていたりいなかったり。
サイトは準備中…かもしれない!
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そのうちメールフォームにしたいんだぜ!w